中篇小説を3作収録。
百合は、母と亡き父の友人である風間と2人で温泉旅行にでかける。風間は女言葉を使い、百合の幼い時より、百合の家に頻繁に出入りしていた。2人の関係は、百合が主である主従関係を保っているかに思えたが、やがて百合は風間のなかに男としての野性的な面をみつけてたじろぐ。そして、やがて、風間は以前から母と不倫関係にあった事を感じ取る。しかし、風間は父が亡きあとも百合の家に出入りを繰り返すが、母と結婚するきもないと言う。
男女の複雑な愛の形を描いた、文学にありがちな「おち」のない、唐突に物語は終わる。
他、ある日店の前にしゃがんでいた男を行きがかり上、助け一緒に暮らし事になっていく男の話「訪問者」と、過激派だった母の同輩の男と不倫の恋に落ちる「牙の恋人」を収録。
私は年に4、50冊の本を読みます。ほとんどは近所の図書館からの借り物です。たくさん読むので、自分でも何を読んだか分からなくなるので、記録を取る事にしました。 注)あらすじを書いてます。ネタばれ注意です。
2012年5月30日水曜日
2012年5月25日金曜日
県庁おもてなし課/有川 浩・著
高知県庁に実在するが、話自体はフィクション。
高知県を観光立県とするべく、新設された「おもてなし課」。最初の活動は高知出身の著名人に親善大使となってもらい、高知の観光所を印刷された名刺をくばることだった。著名な作家、吉門喬介がしかし、手厳しくおもてなし課にクレームをつける。しかし、その指摘はことごとく的を射ており、課の担当掛水は、吉門に高知再生の指南を申し出る。物語は、おもてなし課が四苦八苦しながら、やがて観光のあり方を徐々に掴み、体得、そして、さらなる飛躍をしていくであろう、と言う形で終わっている。観光大国を目指す、高知県庁の人々を観光というもので一つにしながら、同時に掛水と民間登用された明神多紀との恋、吉門と血の繋がらない、妹佐和との恋愛をからめて進行していく。それがおもしろくて、読み進められるが、若干、観光のPR文体が長々とあり、途中、少し飽きさせる。但し、全体的にみると、読みやすく、共感がもてるないようであった。
高知県を観光立県とするべく、新設された「おもてなし課」。最初の活動は高知出身の著名人に親善大使となってもらい、高知の観光所を印刷された名刺をくばることだった。著名な作家、吉門喬介がしかし、手厳しくおもてなし課にクレームをつける。しかし、その指摘はことごとく的を射ており、課の担当掛水は、吉門に高知再生の指南を申し出る。物語は、おもてなし課が四苦八苦しながら、やがて観光のあり方を徐々に掴み、体得、そして、さらなる飛躍をしていくであろう、と言う形で終わっている。観光大国を目指す、高知県庁の人々を観光というもので一つにしながら、同時に掛水と民間登用された明神多紀との恋、吉門と血の繋がらない、妹佐和との恋愛をからめて進行していく。それがおもしろくて、読み進められるが、若干、観光のPR文体が長々とあり、途中、少し飽きさせる。但し、全体的にみると、読みやすく、共感がもてるないようであった。
2012年5月17日木曜日
ハロンの瞳/恢 余子・著
ちなみに作者名は「ひろし よし」と読むようです。
イサムはニューヨークの新高層ビル「コーポシティ」に居を構えることになった。しかし、この近未来の都市に次々と殺人事件が発生。事態は単なる殺人事件ではなく、世間を揺るがせている、カリブ海の小国アズマイア王国の王位継承問題とその国の石油資源を巡る争奪戦となり、既に日米両政府を巻き込んでの世界的事件へと発展していた。アズマイアの重要人物が、コーポシティのイサムの隣人であったことから、イサムは親しくなった関わりで、この隣人を暗殺者の手から逃がす事を決意。こうして、米大陸を横断する逃亡劇となる。途中幾多の襲撃にあいながらもラスベガスまで逃亡は成功する。そして逃亡しながら徐々に隠された真相が明らかに。アズマイアの重要人物としてイサムの隣人になりすました男性は、アズマイア皇女であり、アズマイア皇族の中にも反逆者がいたり。しかし、ついに皇女はイサムの目前で凶弾に倒れる。イサムは皇女の仇をうつべく、拳銃の猛練習を重ね、皇女を暗殺に至らしめた関係者を血祭りにあげ、目的を果たすのだった。
と、このような冒険活劇調なのですが、登場人物の背景が複雑すぎて、誰がどこの所属で立場は。。。など、混乱して楽しめなかった。
イサムはニューヨークの新高層ビル「コーポシティ」に居を構えることになった。しかし、この近未来の都市に次々と殺人事件が発生。事態は単なる殺人事件ではなく、世間を揺るがせている、カリブ海の小国アズマイア王国の王位継承問題とその国の石油資源を巡る争奪戦となり、既に日米両政府を巻き込んでの世界的事件へと発展していた。アズマイアの重要人物が、コーポシティのイサムの隣人であったことから、イサムは親しくなった関わりで、この隣人を暗殺者の手から逃がす事を決意。こうして、米大陸を横断する逃亡劇となる。途中幾多の襲撃にあいながらもラスベガスまで逃亡は成功する。そして逃亡しながら徐々に隠された真相が明らかに。アズマイアの重要人物としてイサムの隣人になりすました男性は、アズマイア皇女であり、アズマイア皇族の中にも反逆者がいたり。しかし、ついに皇女はイサムの目前で凶弾に倒れる。イサムは皇女の仇をうつべく、拳銃の猛練習を重ね、皇女を暗殺に至らしめた関係者を血祭りにあげ、目的を果たすのだった。
と、このような冒険活劇調なのですが、登場人物の背景が複雑すぎて、誰がどこの所属で立場は。。。など、混乱して楽しめなかった。
2012年5月7日月曜日
彩月/髙樹のぶ子・著
季節の短編という副題がついている通り、ショートストーリが12編。様々な人生模様をSF的な雰囲気をだして、面白く読める。 岬近くのひなびた旅館に、につかわしくない、身なりのしっかりした夫婦が宿泊する。実は、妻の方は若くして痴呆を患っており、病状が進む前に夫に「自分がぼけてしまったら郷里の岬から、私を突き落として欲しい、」と夫に約束させていた。やがて、完全にぼけが進行し、もはや排泄などの生活習慣さえ覚束ない状態となり、夫は約束を守るべきか、破るべきか、悩む。海辺でのひと時、妻は見慣れない貝がらをひろい、その貝の名前を言い当てる。そこには、往年の愛した妻が意識を取り戻していた。しかし、その後病状は元に戻り、もはや貝の名前どころか、それが貝であるかさえも不明の様子にまたしても夫の心は揺れ動く、「月日貝」 刑期を終えて晴れて出所。自分を待っている妻、美津江のもとに車を急がせる男。やがて、懐かしい故郷の景色が見え、我が家へ。妻は暖かい食事を用意して待っている。と夢は終わり、起き上がると刑務所の中。もうじき刑期を終える男に、看守は男が殺した妻の墓をみまってやれ、と言い、男もそうするつもりだ、と応える「夜神楽」など。
2012年4月28日土曜日
さくら/西加奈子・著
家を出た父が3年ぶりに戻る、という知らせを受け、長谷川薫は年末家に戻る。そこから薫の少年時代に物語が進む。薫には2つ上の兄一がおり、妹の美貴が、飼い犬のサクラ、そして、仲の良いハンサムで、そして美しい父母がいた。薫はハンサムで学校のヒーローの兄、そして、誰もが振り向く美少女ながら凶暴で物怖じしない、妹にはさまれ、普通の存在として育ったが、長谷川家は幸福で平和な家族だった。物語は少年時代の楽しい、そしてちょっぴり甘酸っぱい少年、少女の恋のエピソードをその大半につぎ込むが、後半は反動か、とてもせつなく、悲しい展開になる。ヒーローだった兄はある日、交通事故に遭い、顔面半分と下半身を失う。それまでのギャップに耐え切れず、事故の1年後くらいにみずから首吊り自殺してしまう。その事故あたりをきっかけに家族は崩壊していく。そして回想は現在に至り、サクラまでもが瀕死を迎えて、崩れは最高潮に。家出からもどった身の置き所がない、普段物静かな父はしかし、この時は意を決して、サクラを助けるために大晦日の夜、病院を探しに行くことを宣言する。かつて幸せだった家族が兄の死を乗り越え、悲しみを内に秘めながらも立ち直っていく姿を描いた作品。女性作家特有の繊細が光る心暖まる物語。
2012年4月24日火曜日
そして、夏へ/一ノ瀬綾・著
伊沢荘というアパートに暮す、様々な年代の独身女性の日々を綴った作品。
萩原美紀は20代、小島弘子は30前半、若林みどりはもうすぐ40代、西村は50代。そして50後半の伊沢克子というメンバーの各々独身であり、仕事を持っていた。萩原美紀はしつこく付きまとう元彼を振り払うために、過去の不倫相手とよりをもどそうとする。そんな折、彼の方からあきらめること、故郷に帰り花やの夢を実現させる事、などを美紀に伝え、別れる。せいせいしたはずが、妙に心むなしさを感じる美紀。小島弘子はバー務めが長く、たった一晩寝た素性の知れない男の子を身ごもり、産む決意をする。若林みどりはバリバリと仕事をこなし、仕事一筋のキャリアウーマン。それなのに、名かなか正当な評価をしてもらえず、男社会の壁を感じ、むなしくなるのだった。西村は夫の浮気をきっかけに、娘達が成人したの契機に別居を始めるが、将来は孤独な一人暮らしか、いたわりのかよわない家族達と一緒に老いてゆくべきかで悩む。伊沢克子は数年前から続く不倫相手の死により、あらためて、一人暮らしの孤独に耐え、残りの人生を過ごしていく覚悟を決める。
女性の自立、といった事に焦点をあてているが、特にトピック的なものも無く、地味な印象を受ける小説だった。
萩原美紀は20代、小島弘子は30前半、若林みどりはもうすぐ40代、西村は50代。そして50後半の伊沢克子というメンバーの各々独身であり、仕事を持っていた。萩原美紀はしつこく付きまとう元彼を振り払うために、過去の不倫相手とよりをもどそうとする。そんな折、彼の方からあきらめること、故郷に帰り花やの夢を実現させる事、などを美紀に伝え、別れる。せいせいしたはずが、妙に心むなしさを感じる美紀。小島弘子はバー務めが長く、たった一晩寝た素性の知れない男の子を身ごもり、産む決意をする。若林みどりはバリバリと仕事をこなし、仕事一筋のキャリアウーマン。それなのに、名かなか正当な評価をしてもらえず、男社会の壁を感じ、むなしくなるのだった。西村は夫の浮気をきっかけに、娘達が成人したの契機に別居を始めるが、将来は孤独な一人暮らしか、いたわりのかよわない家族達と一緒に老いてゆくべきかで悩む。伊沢克子は数年前から続く不倫相手の死により、あらためて、一人暮らしの孤独に耐え、残りの人生を過ごしていく覚悟を決める。
女性の自立、といった事に焦点をあてているが、特にトピック的なものも無く、地味な印象を受ける小説だった。
2012年4月16日月曜日
黒い家/貴志祐介・著
小学生の菰田和也が自殺し、父親の重徳と一緒に死体を発見したのは昭和生命の若槻だった。ほどなく重徳から保険金請求がなされるものの、若槻は発見当時の重徳の表情から、直感的に保険金詐欺であることを感じ、独自に重徳の身辺調査に乗り出す。すると過去に幾度も詐欺の経歴があることが明らかになり、若槻は匿名で重徳の妻幸子に手紙を送る。しかし、黒幕は重徳ではなく妻の幸子の方だった。情性欠如者である幸子は自らの保険金受け取りを若槻が邪魔してると思い込み殺そうとたくらみ、また見境無く邪魔と感じる人間を次々と殺していく。幸子の自宅京都の「黒い家」に若槻の恋人恵が拉致された事を知り、幸子に見つかるも、間一髪のところで、恵を救出する事に成功する。しかし、殺人狂と化した幸子は行方をくらます。事件の影響も薄れ掛けた3週間後、幸子の巧みな戦略によって、若槻は深夜の昭和生命支社ビルに一人で孤立することになり、幸子と対峙を余儀なくされる。日本刀のような包丁を振りかざし、迫り来る幸子。右手を切られ、意識も薄れがちな若槻だが、消火器を使い、一撃で幸子の頭蓋骨を砕き、恐怖は去るのだった。
近年珍しくも無い保険金詐欺を題材に取り上げているが、幸子の常軌を逸した行動が恐怖を増徴するサイコスリラー。
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