私は年に4、50冊の本を読みます。ほとんどは近所の図書館からの借り物です。たくさん読むので、自分でも何を読んだか分からなくなるので、記録を取る事にしました。 注)あらすじを書いてます。ネタばれ注意です。
2012年12月9日日曜日
夢食い魚のブルー・グッドバイ/玉岡かおる・著
上記ストーリをメインにサブに母娘との確執、ヤマトが釣ってきたブラック・バスを無理やり桜子が飼い、水槽に囚われた魚を自身にみたてたり、古い世代の母、祖母ら女性をあてはめてみたりする物語がサイドストーリとしてある。
2012年11月20日火曜日
τ(タウ)になるまでまって/森 博嗣・著
超能力者 神居が住む伽羅離館は森の奥深くただ一軒建つ直方体の屋敷。ここに7人の男女が集められ、そして閉じ込められる。神居が預言した通り、外は雷が光り雨が降り、屋敷の全ての扉は開かなくなる。電話は屋外でないとつながらない。そんな中、神居が晩餐の後、超常現象を披露したあと、密室にて殺される。一同は窓を割り電話で救助を要請、警察とともに犀川教授も呼ばれ、あっという間に密室の謎を解き去っていく。トリックは扉は家庭用溶接機で外から溶接され、その時の光が雷と勘違い、窓を打つ雨はスプリンクラー。犯人は鉄格子のハマった窓を溶接機で取り去り、侵入し、神居を殺害後、窓から脱出、また溶接し、完全密室を作った、というもの。
繰り返すが、微妙にずれがある。犯人は、7人のうち先に帰った一人かも?というあいまいな結末。かつ、神居のバックにさらに大物組織が絡む、などと匂わすのも最後の方に取ってつけたような。。。どうもシリーズ物らしく、途中で読んだ私には魅力半減、???が頭に残る結果となった。
2012年11月6日火曜日
海辺のカフカ/村上春樹・著
特に大げさな起承転結があるわけではなく、ストーリーそのものに意味があるというより、この物語の随所にみられる、ロマンティックと言って差し支えないほどの描写、登場人物の感じている心模様が切ないほど心にしみる。そちらにこそ、この本の意味があるように感じた。
物語は2つの話が交互に語られ進行していく形を取る。一つは、 15歳の少年カフカは、幼い頃母に捨てられた記憶が心の重荷になっており、耐え切れず父のもとから姿を消し、四国高松にある甲村記念館に身を寄せる。そこでしりあう女性の体を持つ男性、大島、館長でありながら、若くして恋人をなくしたために心をその時に置いて来た佐伯と出会う。やがて佐伯が実母と知りながら愛し合う。
もう一つは戦後まもなく不思議な現象に巻き込まれ、意識がもどった時には、字が全く読めなくなってしまった、ナカタ少年。現在では初老となるナカタさんは、猫と話すなど特殊な能力もみにつけていた。彼は、猫を殺すジョニー・ウォーカーを殺し(これはカフカの父と同一)さらに何かに惹き付けられる様に行動し、出会ったホシノと名乗る青年と四国を目指し旅を始める。
この話が一つになる。ナカタさんは甲村記念館を訪ね、佐伯を死に至らしめる。ナカタさんも役目を全うしたかのように静かに死んでゆく。
少年カフカは一方遠方にいて佐伯の死を知り、「かの地」に佐伯や本当にカフカが恋こがれる15歳の佐伯、さらに、自分を捨てた母佐伯に会いに行く。そこで佐伯に生きてもどってほしいと諭され、現実の人生に戻っていく。
2012年10月27日土曜日
ビートルズでもっと英会話/小島智・著
2012年10月15日月曜日
英文法がわからない!?/中川信雄・編著
2012年10月10日水曜日
怪談人恋坂/赤川次郎・著
複雑に人間関係が入り組み、この本筋の他にも2重3重の別の筋が話しを複雑・怪奇にしている。
裕美子は家の金を盗んだ梶原に口封じのために殺された。その現場を見ていた和代に梶原は、後年脅され続け、結局和代も殺してしまう。そして、その梶原も最後は気がふれた自分の妻に刺し殺される。一方、裕美子を孕ませたのは血の繋がりはないものの、実兄の桂介だった。それを知った、桂介の妻の沙織は、動転し、家の前の人恋坂で転げ落ちて死ぬ。
最終的にはかなり陰惨なエンディングである。赤川のダークワールド全開作品。
2012年9月21日金曜日
苦難の乗り越え方/江原啓之・著
興味を惹かれたので、内容をメモ的に以下にまとめる。
霊魂(スピリット)の法則
人は死してもたましいは死にません。人は魂の存在であり、肉体が消滅しても、心は生きている。霊的存在として永遠に生き続けるのです。人生で何かにおじけずいたときこそ、霊魂の法則の出番。生きているうちにできるだけ経験と感動を積もうと考えること。
階層(ステージ)の法則
人は死ぬと魂のレベルに応じた境地に行くことになる。霊的成長によって階層が分かれている。
波長の法則
類は友を呼ぶと言うこと。相手を変えたかったら自分を変えなさいということです。自分の波長も変わると周囲の波長も変わる。夫婦間でいざこざが起こったら、逃げか卒業なのかを知りたければ、率先して努力をすることです。それでもどうにも変わらないというのであれば、別れていいかの判断基準点は、愛が別れの動機になっているかどうかを考える。
守護(ガーディアン・スピリット)の法則
どんな困難に陥っても、自分は暗黒の孤独の中にいると感じるときも、本当は自分を見守ってくれている守護霊の存在がある。目を見開き耳を傾けてさえいれば、必ず何かしらアドバイスを送ってくれる。
類魂(グループ・ソウル)の法則
私たちの魂は、あなたの類魂の一部分だということ。霊的世界において実は全員が類魂である。
運命の法則
宿命は自らが決めて生まれてきたもので、変えることができないが、運命は自分の手でいくらでも変えられます。
ノート内観法記入例
1、テーマを書く。(離婚、転職など)
2、問題点(嫌なこと、克服すべき事を書く。
3、今までの経緯、現在のような心境になったきっかけや出来事。
4、相手から自分がどんな恩恵をうけてきたか?
5、そして受けた恩恵に対して何を返してきたか?
6、自分自身の反省点をみつける。
7、今後自分がどうしたいか希望をかく。
8、問題に対してどのような行動が「逃げ」でどのような行動が「卒業」と思えるかを書く。
9、それを踏まえて、今、どうするべきか「答え」を書いてください。
10、全てのことが「自分に必要なこと」と受け入れられたか、感想を書く。
この項目とは別に、「メッセージ欄」というのを設ける。ここにかかれる内容は、「まわりの人に言われたことで印象的なことを書いて、そして、それについての分析も書く。」「最近見た夢や、ふと目についた言葉などを書く。
2012年9月17日月曜日
カフカの外套/新井満・著
2012年9月11日火曜日
心に橋を架ける言葉/DorothyL.Nolte・著
この本はタイトルからもわかるとおり、対人関係を円滑にして、明るい人生を歩んでいくためのアドバイスで構成されている。
内容は主に人とのコミュニケーションをキーワードに展開される。例えば対人といっても、友人、夫婦、家族、親子、会社の同僚、上司、仕事先相手など、様々。そして、言葉といえば、相手の発した言葉と受け取る自分とでは、まるで違った意味や印象で受け取る事が多く、それによって対人関係にひびが入るというもの。考えてみれば、対人にたいしてもたらされる情報は言葉のみである。見た目ももちろんだが、口を利かなければその人を知ることも難しい。
そして更に、発する人、受け取る人それぞれに考え方が異なるから衝突や軋轢が生じると、書いてある。別著の「ブレイン・スタイル」という本に詳しく書かれているそうだが、人は大別して4つの脳の分類ができるそうだ。
この本もたくさんの示唆に富んでいて考えさせられるところがあったが、「ブレイン・スタイル」という本が読みたくなった。
2012年8月31日金曜日
マーフィーの成功法則/ 謝 世輝・著
スローセックス実践入門/アダム徳永・著
いわゆるハウツーものなので,さすがにここでは書くのがはばかれるが、これが本当なら世の男性は、私も含めてことごとく間違ったセックスをしている事になる、というぐらい、目から鱗が落ちる、といった感じだ。その一部だけを紹介すると、ほとんど全ての男女が、セックスは男の射精を以て終了、と考えているが、その考え自体が間違いである、というもの。ペニスをピストンさせえるのが、セックスであると勘違いしている。女性が濡れていれば、即、感じていると考えるのは、間違っている。などなど。
他には、男性の知識はアダルトビデオからきており、それを実際の女性にためすと女性は気持ち良くないばかりでなく、苦痛ですらある、というもの。一男性として、こう言った知識は親が教えてくれるでもなく、エロ本やアダルトビデオで結局教えてもらう、というのには反論がない。このように、指摘されれば、なるほど!と思うものも多いが、交接時間が2時間であったり、ピストン運動でなく、小刻みに振動するべし、とあったり(だいぶ中身しゃべってるな)このへんで割愛するが、疑問も残る。この辺は、女性に改めて意見を聞きたいところだ。
もし、読者の中で聞けるような関係にある女性がいるのなら、是非聞いてみてほしい。
2012年8月19日日曜日
真昼のプリニウス/池澤夏樹・著
2012年8月14日火曜日
ほかならぬ人へ/白石一文・著
本当に自分にとって大切は人というのは必死でさがせばかならず見つかる、という小説中のセリフが心に響く、秀逸な恋愛小説であった。他「かけがえのない人へ」を収録。
2012年8月12日日曜日
猫が届けた遺書/志茂田景樹・著
美容室を経営する女実業家が殺される。彼女の遺体には飼い猫の桃がいて、白い木彫りのネックレスをくわえて慌てて逃げ去った。彼女は男性交友関係が広く、犯人はその中の人物に絞られる。その中で滝は土木作業員の髙木に的を絞る。彼は彫刻の手習いもあり、猫の桃に唯一気にいられた男性だったからである。他の資産家や実業家の男性達は、猫の桃には嫌われており、近づく事もできなかった。滝の推理は、髙木が自作の木彫りのネックレスを恋人の実業家にプレゼントする。そのネックレスにはバネがしかけられており、ボタンを押すとネックレスが締まるようになっていた。そしてそのボタンにはマタタビが仕込んであったのだ。猫の桃は、ネックレスをしたまま、髙木の睡眠薬で眠らされた実業家の首もとにマタタビの匂いをかぎつけ、ネックレスのボタンにかじりつく。ボタンが押されネックレスが縮み、女は窒息死。その後髙木は金品を強奪し、猫の桃を持ち去りなぶり殺しに。途中、桃は髙木のもとを逃げ去り、瀕死の重傷で自らの家にもどるも力尽きネックレスをくわえたまま家の樹の洞に墜落し、息絶えた。そこを滝に発見され、滝は事件解決の糸口としたのだった。
短編のせいか少し推理が稚拙な感じを受ける。いまいち、という感じが否めない。
2012年8月9日木曜日
ロココ町/島田雅彦・著
2012年8月6日月曜日
タイム・スリップ・コンビナート/笙野頼子・著
突然、知らない人から電話で「海芝浦」に行けと命ぜられ、都立家政からJR鶴見駅、を経て鶴見線へ。本数の少なさで困難しながら、訪れた各駅の佇まいが70年代の高度成長期の雰囲気をたずさえ主人公を妄想の世界で誘う「タイムスリップ・コンビナート」電車は実は動いておらず、走り去る車窓の景色の実は紛い物である、という妄想からどんどん話はエスカレートして行く。下落合より先に土地はなく、びりっと音をたてて大地がきりとらる「下落合の向こう」 捨て猫を育てるが飼い主が見つかり、ひきとられる。その後部屋の蚤が次第に大きくなり、ついには人間の赤ん坊ほどの大きさになる。主人公はそれでも血を吸われ続けるが、無気力になり、動こうとしない、部屋の片付けも手につかず、荒れ放題に。ついに決心をし、部屋を片付け人間大の蚤を花切りばさみで切り殺しごみ箱に。「シビレル夢ノ水」 くどいがストーリー性は全くない。
2012年8月5日日曜日
わたしを離さないで/カズオ・イシグロ・著
キャシー、トミー、ルースらはある施設で育った。保護官と呼ばれる大人が規則を律し、統治しており、ヘールシャムと呼ばれる施設だった。彼女らはしかし、ここが一般の孤児院などではない事に次第に気づいていく。やがてヘールシャムを出てその上の段階である「コテージ」に移送される頃になると、自分達はクローン人間であり、生きていく意味は、オリジナルである人間のための臓器提供にあることも理解する。普通の人間としての生活は許されない彼女達だが、その代わり、ある程度の自由があり、生活の保障があり、保護下に置かれた生活だが、コテージを出て行くころには臓器を提供しなければならなかった。一般の人間と全く変わらない心を持ちながら、必要とされれば内蔵をいやおう無しに突然切り取られ、そのために一人、また一人と仲間達が死んでいく。その中でまことしやかに、ある噂が流れる。それは、仲間同士で愛している事を証明できれば、臓器提供を3年猶予してもらえるというものだった。キャシーとトミーはそれを信じついに証明するために「マダム」と呼ばれる人物に面会を挑む。しかし結果は無残なものだった。それは単なるデマであり、トミーは4回目の提供後、死んでゆく。残されたキャシーはやがて自分の番がやってくる事を静かに待ちながら、トミーやルースと昔旅行した場所などを訪ねるのだった
2012年7月31日火曜日
旅行けば物語/筑摩書房・編
2012年7月19日木曜日
壜の中の手記/ジェラルド・カーシュ・著
原題 The Oxoxoco Bottle and other stories/Gerald Kersh
2012年7月11日水曜日
野比家の真実/日本ドラえもん党・著
のび太が自分と全く同い年なのには驚かされたが。。。
2012年7月10日火曜日
いたこニーチェ/適菜収・著
ニーチェは「キリスト教の腐敗」「絶対的な真理などない」という当時でも相当とんがった思想の提唱をおこなった奇才。そして、著者の適菜氏も哲学者。「哲学」と聞けば皆しり込みしてしまうものだが、それをなるべく日常生活的なものに置き換えて、おもしろおかしく説明してくれていて、大変好感が持てる本書だった。少なからずふきだしそうな場面もあり、本気でニーチェの著書を読むにさせてくれる。それにしてもニーチェって人はスゴイ。
2012年7月5日木曜日
熟れてゆく夏/藤堂志津子・著
男嫌いであった律子はしかし、反発しながらも次第に紀夫に惹かれていくのだったが、その夫人の計画を知って紀夫の言うとおり、お互いに仲良くなった振りをする。
律子は以前少女時代に親戚の2つ上の子、道子と3年ほど暮らした事があった。物静かな道子は律子の恰好の餌食であった。若く幼い律子はいたずらを繰り返し、言葉でいじめた。ふざけあっているうち、道子は律子のくすぐりを愛撫としてとらえ、性に目覚める。また当事者の律子は幼いながらも漠然と性的な興奮を道子が味わっている事を感じる。この記憶が女性との性的な興奮を蘇らせ、男をしりぞける原因でもあった。
紀夫と仲良くなったとみせかけ、遅れてきた夫人を出迎える律子。そして唐突に夫人に別れの言葉をあびせ、踵を返すのであった。
2012年6月30日土曜日
あおぞら/星野夏・著
中学2年の時、友人に裏切られレイプ。そして、それをなぐさめようと近寄ってきた友人にも、またしても裏切られ、暴行される。男不信と一人でいる不安に耐え切れなくなり、反動で自殺未遂、売春、下着売り、キャバクラ勤めなどをし、すさみきった所へ、幸太と出会う。どん底から夏を救ってくれた幸太と恋に落ちるも、事故で幸太は帰らぬ身に。激しく憔悴し、落ち込む夏をまわりの人々は優しく包む。夏もその事実に気づき、一人で生きているのではない、という自覚を持ち、やがて幸太の分まで生きていこうと決心する。
レイプされている時の心の状態までも本当に素直に書き記し、頭が下がる。と同時にこんな男もいるのだと、改めて思い知らされる。男性に是非読んで欲しい。
2012年6月28日木曜日
六月の家/夫馬基彦・著
文章の内容を要約するとこれだけの事。もちろん文学なので、その裏を読み取らなければ。6月の家とは、近所にできた南欧風のしゃれた家のこと。 この家に住むのはてっきり若夫婦と思ったら老年の仲睦まじい夫婦であり、マンションから見える小さな畑を耕す老人の後をつけ、彼の自宅をさぐったら、大きな屋敷の持ち主であったにも関わらず、老人本人は、その隣の旧本宅らしき所に頑固さゆえに一人住まい。息子達は豪邸の方で暮らしているという事情。そして、村石達の同じマンションの2階と3階で、行き来する同棲的な生活を送る自分らの住宅事情。これらを対比して、様々な人間模様が人の数だけある、という事を述べているようだ。
相変わらず、「文学」は難しく、取っ掛かりがない。
2012年6月22日金曜日
ホルモー六景/万城目 学・著
安倍達と同時代ホルモーを戦った、京産大の定子と彰子の女の友情を書いたもの。後に安倍の彼女となる楠木のアルバイト先での年下高校生との初デートの話。梶井基次郎がその当時ホルモーに関連した友人を持っていたという話。現在京都の4大学で行なわれているとされるホルモーが、女の子の偶然の行動で更にもう一つ同志社大もホルモーが解禁になるという話。実はホルモーは京都だけでなく、東京の大学間でも行なわれていたとする話。立命館大のホルモーのサークル部長の珠実が、400年の時を越えて、織田信長の家臣「なべ丸」と文通し、恋を育む話。
2012年6月20日水曜日
鴨川ホルモー/万城目学・著
あらすじを書くと、こうもおもしろくなくなってしまうが、2006年度「本の雑誌」第一位を獲得。実際にもとてもおもしろかった。
2012年6月14日木曜日
花腐し/松浦寿輝・著
祥子が入水自殺をしてすでに十何年も経とうとしているのに、クタニは今だに彼女の想いをひきずっていた。経営していたデザイン事務所も徐々に行き詰まり、最後は共同経営者の友人に逃げられ、今はもう不渡りを出す寸前であった。現在のクタニは、そうした肩書きを持ちながら、知り合った金融会社の社長に頼まれ、立ち退き屋の仕事でなんとかしのいでいた。最後の住人の井関は、一風変わった男で、妙に馴れ馴れしく、クタニに近づいてくるが、疎ましくも嫌えないのであった。2人で酔ううちにクタニは現実と過去と幻想が入り混じってくる。祥子がすぐ傍らで囁くようでもあり、また、井関の部屋にいた裸の少女は、井関の栽培しているマジックマッシュルームでうつろな表情であるが、それもまた現実とは思えなかった。酔った後、井関の部屋で飲みなおすうちに、クタニもマジックマッシュルームの臭気にやられたのか、現実が定かでないなかで、裸の少女とセックスをしているようであり、股間の感覚はあるのに、現実感が無い状態であった。気がついた時には誰もいず、部屋を出てみたがほぼ一昼夜寝ていたらしく、外はすでに夕闇の中。なんとなく居心地の良いアパートに自身が住んでみようかなと思いながら階段を降りるクタニ。その視界の横に死んだはずの祥子の姿が見え、クタニは降りきった階段をまた上りはじめるのだった。
自分的には、苦手の「文学作品」を引いてしまったようで、何を言いたいのかさっぱり分からない作品。
2012年6月10日日曜日
邂逅の森/熊谷達也・著
夢風船/藤川桂介・著
2012年5月30日水曜日
森の匂い/楡井亜木子・著
百合は、母と亡き父の友人である風間と2人で温泉旅行にでかける。風間は女言葉を使い、百合の幼い時より、百合の家に頻繁に出入りしていた。2人の関係は、百合が主である主従関係を保っているかに思えたが、やがて百合は風間のなかに男としての野性的な面をみつけてたじろぐ。そして、やがて、風間は以前から母と不倫関係にあった事を感じ取る。しかし、風間は父が亡きあとも百合の家に出入りを繰り返すが、母と結婚するきもないと言う。
男女の複雑な愛の形を描いた、文学にありがちな「おち」のない、唐突に物語は終わる。
他、ある日店の前にしゃがんでいた男を行きがかり上、助け一緒に暮らし事になっていく男の話「訪問者」と、過激派だった母の同輩の男と不倫の恋に落ちる「牙の恋人」を収録。
2012年5月25日金曜日
県庁おもてなし課/有川 浩・著
高知県を観光立県とするべく、新設された「おもてなし課」。最初の活動は高知出身の著名人に親善大使となってもらい、高知の観光所を印刷された名刺をくばることだった。著名な作家、吉門喬介がしかし、手厳しくおもてなし課にクレームをつける。しかし、その指摘はことごとく的を射ており、課の担当掛水は、吉門に高知再生の指南を申し出る。物語は、おもてなし課が四苦八苦しながら、やがて観光のあり方を徐々に掴み、体得、そして、さらなる飛躍をしていくであろう、と言う形で終わっている。観光大国を目指す、高知県庁の人々を観光というもので一つにしながら、同時に掛水と民間登用された明神多紀との恋、吉門と血の繋がらない、妹佐和との恋愛をからめて進行していく。それがおもしろくて、読み進められるが、若干、観光のPR文体が長々とあり、途中、少し飽きさせる。但し、全体的にみると、読みやすく、共感がもてるないようであった。
2012年5月17日木曜日
ハロンの瞳/恢 余子・著
イサムはニューヨークの新高層ビル「コーポシティ」に居を構えることになった。しかし、この近未来の都市に次々と殺人事件が発生。事態は単なる殺人事件ではなく、世間を揺るがせている、カリブ海の小国アズマイア王国の王位継承問題とその国の石油資源を巡る争奪戦となり、既に日米両政府を巻き込んでの世界的事件へと発展していた。アズマイアの重要人物が、コーポシティのイサムの隣人であったことから、イサムは親しくなった関わりで、この隣人を暗殺者の手から逃がす事を決意。こうして、米大陸を横断する逃亡劇となる。途中幾多の襲撃にあいながらもラスベガスまで逃亡は成功する。そして逃亡しながら徐々に隠された真相が明らかに。アズマイアの重要人物としてイサムの隣人になりすました男性は、アズマイア皇女であり、アズマイア皇族の中にも反逆者がいたり。しかし、ついに皇女はイサムの目前で凶弾に倒れる。イサムは皇女の仇をうつべく、拳銃の猛練習を重ね、皇女を暗殺に至らしめた関係者を血祭りにあげ、目的を果たすのだった。
と、このような冒険活劇調なのですが、登場人物の背景が複雑すぎて、誰がどこの所属で立場は。。。など、混乱して楽しめなかった。
2012年5月7日月曜日
彩月/髙樹のぶ子・著
2012年4月28日土曜日
さくら/西加奈子・著
2012年4月24日火曜日
そして、夏へ/一ノ瀬綾・著
萩原美紀は20代、小島弘子は30前半、若林みどりはもうすぐ40代、西村は50代。そして50後半の伊沢克子というメンバーの各々独身であり、仕事を持っていた。萩原美紀はしつこく付きまとう元彼を振り払うために、過去の不倫相手とよりをもどそうとする。そんな折、彼の方からあきらめること、故郷に帰り花やの夢を実現させる事、などを美紀に伝え、別れる。せいせいしたはずが、妙に心むなしさを感じる美紀。小島弘子はバー務めが長く、たった一晩寝た素性の知れない男の子を身ごもり、産む決意をする。若林みどりはバリバリと仕事をこなし、仕事一筋のキャリアウーマン。それなのに、名かなか正当な評価をしてもらえず、男社会の壁を感じ、むなしくなるのだった。西村は夫の浮気をきっかけに、娘達が成人したの契機に別居を始めるが、将来は孤独な一人暮らしか、いたわりのかよわない家族達と一緒に老いてゆくべきかで悩む。伊沢克子は数年前から続く不倫相手の死により、あらためて、一人暮らしの孤独に耐え、残りの人生を過ごしていく覚悟を決める。
女性の自立、といった事に焦点をあてているが、特にトピック的なものも無く、地味な印象を受ける小説だった。
2012年4月16日月曜日
黒い家/貴志祐介・著
2012年4月10日火曜日
もどり橋/澤田ふじ子・著
2012年4月4日水曜日
下町ロケット/池井戸潤・著
2012年3月29日木曜日
海猫屋の客/松村友視・著
水曜の朝、午前三時/蓮見圭一・著
ひとり日和/青山七恵・著
終の住処/磯崎憲一郎・著
三軒目のドラキュラ/上野瞭・著
火の壁/井野上裕伸・著
水上のパッサカリア/海野碧・著
江戸川乱歩全集1/江戸川乱歩・著
収録作品 二銭銅貨・一枚の切符・恐ろしき錯誤・二發人・双生児・
こうして、連続して読むと、
鄙の記憶/内田康夫・著
安土城幻記/阿刀田高・著
いちばんはじめにあった海/加納朋子・著
堀井千波は現在ワンルームに一人暮らし。
あらすじとして書くととても平坦な感じになるが、