2012年12月9日日曜日

夢食い魚のブルー・グッドバイ/玉岡かおる・著

 大学卒業間近のヤマトと桜子の恋物語。会えばいつもけんかばかりしている二人。しかし、二人とも相手を想いつつも一線を越えず、また越えられずにいた。やがて時は移り、桜子は就職活動を始める。しかし、ヤマトは一向に社会への準備をする気配もないどころか、暇さえあれば、釣りにでかける。やがて、二人はすれ違いをはじめる。桜子は航空会社の就職が決まり、東京行きが決定。ヤマトは逆に留年が決まり、釣りが高じて北海道までふらっと出かけてしまう。そんなヤマトの気持ちが全く理解できず、悩み傷つく桜子。桜子自身が何度もヤマトのことを諦めようとするが、なかなか踏み切れない。そして衝動的に北海道に渡り、ヤマトに気持ちをぶつけ、二人は結ばれるが、それを契機に桜子はヤマトとの別れを決意する。
 上記ストーリをメインにサブに母娘との確執、ヤマトが釣ってきたブラック・バスを無理やり桜子が飼い、水槽に囚われた魚を自身にみたてたり、古い世代の母、祖母ら女性をあてはめてみたりする物語がサイドストーリとしてある。