2013年2月27日水曜日

英語確実に身につく技術/山田光顕・著

英検1級、Toeic940点を保有する著者が、綴った英語の勉強法。驚くことに、高価な学費を払うでもなく、留学経験もなく、これらを達成している、という点が特筆に値する。
著者もそのことを題材にしているわけだが、内容は、とくにあっと驚く秘策があるわけでもない。つまり、懸命に努力した者が合格や英語をものにできるのだ、という事を説いている。
昨今、「これを聴けばたちどろにぺらぺら」的な無責任な教材も多く、しかし、営業言葉にふらふらきてつい購入、なんて話も珍しく無く、そういうブームに一石を投ずる本だ。
何もお金をかけなくても英語は上達できるんだ、っという希望を持った。もちろん、読んで良かったといえる良書。今後何度も読みなおそう。

2013年2月17日日曜日

個人事業の経理/㈱ゼニックス・コンサルティング・著

個人事業主の観点から見て、かつそれに特化した経理についての入門・解説書。
「経理」のけの字もわからない私にとって、非常に分かり易かった。
青色申告を受けるために必要な簿記を一般的な複式簿記ではなく単式簿記に絞って解説してあるあたり、簿記の初歩もわからない者にとってはとっても共感がもて、簿記への理解が早まったと思っている。
結局、簿記自体を好ましく思っている人は少なく、その先に税金に有利に対処したい、との思惑があり、そのために簿記を習得したいのだ、という心理をしっかり把握した上で書かれている。
個人事業主となろうとしている方にはお勧めの本である。

2013年2月6日水曜日

億夜/髙樹のぶ子・著

 主人公沙織、その恋人竹雄、その弟光也。学生時代沙織は恋人の竹雄と婚約しながらも、光也を好きになり、裏切る。光也は兄を慕っており、必死になって自分の恋路を隠そうとするが、ついに兄竹雄のしるところとなり、光也は自殺する。25年後沙織は結婚し、死期間近い夫と暮らしていたが、そこにかつての恋人竹雄が突然あらわれる。二人はお互いを否定しつつも惹かれあうが、肉体関係はすれすれで回避されている状態。その後夫は死に、竹雄は妻から離婚を切り出され、ついには沙織のもとも去る。沙織は夫の死に憔悴しながらも、もどってくるという竹雄の言葉を笑って受け流しながら、それでも人は、死んだ者のためにも無様でも生きていくんだ、と心に思うのだった。