2012年3月18日日曜日

永遠(とわ)の島/花村萬月・著

2011年4月15日
 日本海の中ほど、京都の沖に大和堆と呼ばれる大陸棚のようなもの、その中心に匂島がある。その島へ近づく船舶はその他、人間などが、まるでバミューダのように消滅する。その謎を解くべき主人公の洋子、その雇い主である教授、そして助手、そして、ただ一人、匂島に上陸出来るといわれている漁師の政のメンバーで匂島に向かう。船は途中、不可思議な体験をしたりしながら進んでいく。最初に睡眠中、教授が腐りながら死亡する。その後、助手が空中で止まったまま、徐々に異次元に吸い込まれて消滅する。洋子はこれらが全て政によるものと仮定するが、事実は島にいる「シマ」と政が呼ぶ、機械であり、「存在」がなせるわざであった。そして、2人は島に上陸、この島にいる間は人間は若返り、傷など疾病なども徐々に治癒してしまう効果があった。こうして、2人の生活が幾億日も過ぎ、もはや地球上に洋子と政以外の人間がいなくなっても、2人は暮らし続けていた。珍しく、冒頭や中間部は、今後の展開を期待できそうな予感で読む気も増すが、ラストになると、そのいい加減な結末に急速に興味が薄れるパターン。

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