2012年3月11日日曜日

いつか海の底に/丸山健二・著

2010年7月31日
主人公、星児の17歳の日々を綴った作品。星児の兄は、将来エリートを期待されながら、大学受験失敗を期に堕ちて、銀行強盗襲撃の罪で、刑務所ぐらし、母は、将来の夢を兄に一心にたくしていたため、反動で、人間とも思えぬ肥満体になり、日がな一日ごろごろしている。父は、兄のおかげで、町役場務めができなくなり、退職。その反動で、ギャンブル・女に手を出し、浮気をして、星児たち残された家族を見捨てて、出て行く。そんな星児の境遇だが、星児本人はめげない若さを持っている。そんなある日、兄の銀行強盗仲間と思われる小林から、一人の外国人女性を当面預かってほしいと頼まれ、面倒を見る事になったが、星児は、その彼女に一目惚れしてすまう。同時期に夜間高校仲間の鈴木から中古船を一艘買い、理想の生活をするために共同で船のオーナーになりことをすすめられ、そのためにいくらか出資してほしい旨を相談される。・・・・
文体が短く、かつ簡潔にかいてあるので、たの作家と違った風合いが感じられた。ただ、あくまで文学作品であり、また、文学作品に多く見られる、何が面白いのかわからない的な事件性のない話が続いていくので、読み応えがある、とは言えない。

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