2012年10月10日水曜日

怪談人恋坂/赤川次郎・著

 郁子の寝たきりの姉裕美子が病死した。葬儀の席、郁子の前に亡霊となって表れた裕美子は、自分は病死ではなく、殺されたのだ、そして、郁子は妹ではなく、裕美子が16歳の時、何者かに犯されできた自分の娘であると告げる。やがて郁子も16歳となり、姉の仇を討とうと操作を開始するが、その矢先次々と身の回りに不可解な死が連続する。最初は裕美子の死亡診断書を病死、と書いた老医師が、次いで裕美子を看護していた和代が、その当時裕美子の家庭教師だった梶原に殺される。裕美子の叔母靖枝は、自分の夫の死をきっかけに裕美子の霊を見て、一夜にして白髪に。。。
複雑に人間関係が入り組み、この本筋の他にも2重3重の別の筋が話しを複雑・怪奇にしている。
 裕美子は家の金を盗んだ梶原に口封じのために殺された。その現場を見ていた和代に梶原は、後年脅され続け、結局和代も殺してしまう。そして、その梶原も最後は気がふれた自分の妻に刺し殺される。一方、裕美子を孕ませたのは血の繋がりはないものの、実兄の桂介だった。それを知った、桂介の妻の沙織は、動転し、家の前の人恋坂で転げ落ちて死ぬ。


 最終的にはかなり陰惨なエンディングである。赤川のダークワールド全開作品。

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