2012年4月4日水曜日

下町ロケット/池井戸潤・著

東京大田区の下町、中小企業が、国産ロケットエンジンのバルブシステムを開発し供給するまでの苦闘を描いている。ロケットに関わるシーンは少なく、むしろ弱小企業が、巨大企業に挑戦するための越えなくてはならない、幾多のハードルを現実的に描き出しているところがリアルでおもしろい。
 主力銀行に融資を断られ、同業他社に特許権であらぬ理不尽な訴えを起こされる。逆に提訴し、なんとか逆転の損害賠償を勝ち取るのが前半。後半は、純オリジナル製品を目指す巨大企業に先に特許を取っていたことを強味にその企業よりも更に性能の良いバルブを作り上げ、ついにバルブシステムの一角にくい込むことができるようになるところは感動する。

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