2012年4月24日火曜日

そして、夏へ/一ノ瀬綾・著

伊沢荘というアパートに暮す、様々な年代の独身女性の日々を綴った作品。
萩原美紀は20代、小島弘子は30前半、若林みどりはもうすぐ40代、西村は50代。そして50後半の伊沢克子というメンバーの各々独身であり、仕事を持っていた。萩原美紀はしつこく付きまとう元彼を振り払うために、過去の不倫相手とよりをもどそうとする。そんな折、彼の方からあきらめること、故郷に帰り花やの夢を実現させる事、などを美紀に伝え、別れる。せいせいしたはずが、妙に心むなしさを感じる美紀。小島弘子はバー務めが長く、たった一晩寝た素性の知れない男の子を身ごもり、産む決意をする。若林みどりはバリバリと仕事をこなし、仕事一筋のキャリアウーマン。それなのに、名かなか正当な評価をしてもらえず、男社会の壁を感じ、むなしくなるのだった。西村は夫の浮気をきっかけに、娘達が成人したの契機に別居を始めるが、将来は孤独な一人暮らしか、いたわりのかよわない家族達と一緒に老いてゆくべきかで悩む。伊沢克子は数年前から続く不倫相手の死により、あらためて、一人暮らしの孤独に耐え、残りの人生を過ごしていく覚悟を決める。
女性の自立、といった事に焦点をあてているが、特にトピック的なものも無く、地味な印象を受ける小説だった。

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