2012年5月25日金曜日

県庁おもてなし課/有川 浩・著

高知県庁に実在するが、話自体はフィクション。
高知県を観光立県とするべく、新設された「おもてなし課」。最初の活動は高知出身の著名人に親善大使となってもらい、高知の観光所を印刷された名刺をくばることだった。著名な作家、吉門喬介がしかし、手厳しくおもてなし課にクレームをつける。しかし、その指摘はことごとく的を射ており、課の担当掛水は、吉門に高知再生の指南を申し出る。物語は、おもてなし課が四苦八苦しながら、やがて観光のあり方を徐々に掴み、体得、そして、さらなる飛躍をしていくであろう、と言う形で終わっている。観光大国を目指す、高知県庁の人々を観光というもので一つにしながら、同時に掛水と民間登用された明神多紀との恋、吉門と血の繋がらない、妹佐和との恋愛をからめて進行していく。それがおもしろくて、読み進められるが、若干、観光のPR文体が長々とあり、途中、少し飽きさせる。但し、全体的にみると、読みやすく、共感がもてるないようであった。

0 件のコメント:

コメントを投稿