2012年5月30日水曜日

森の匂い/楡井亜木子・著

中篇小説を3作収録。
百合は、母と亡き父の友人である風間と2人で温泉旅行にでかける。風間は女言葉を使い、百合の幼い時より、百合の家に頻繁に出入りしていた。2人の関係は、百合が主である主従関係を保っているかに思えたが、やがて百合は風間のなかに男としての野性的な面をみつけてたじろぐ。そして、やがて、風間は以前から母と不倫関係にあった事を感じ取る。しかし、風間は父が亡きあとも百合の家に出入りを繰り返すが、母と結婚するきもないと言う。
男女の複雑な愛の形を描いた、文学にありがちな「おち」のない、唐突に物語は終わる。
他、ある日店の前にしゃがんでいた男を行きがかり上、助け一緒に暮らし事になっていく男の話「訪問者」と、過激派だった母の同輩の男と不倫の恋に落ちる「牙の恋人」を収録。

0 件のコメント:

コメントを投稿