2012年6月30日土曜日

あおぞら/星野夏・著

著者本人の体験をつづった話。赤裸々で飾らない文体が、時に読むのを辛くさせる。とても真摯な気持ちが伝わってくる。
 中学2年の時、友人に裏切られレイプ。そして、それをなぐさめようと近寄ってきた友人にも、またしても裏切られ、暴行される。男不信と一人でいる不安に耐え切れなくなり、反動で自殺未遂、売春、下着売り、キャバクラ勤めなどをし、すさみきった所へ、幸太と出会う。どん底から夏を救ってくれた幸太と恋に落ちるも、事故で幸太は帰らぬ身に。激しく憔悴し、落ち込む夏をまわりの人々は優しく包む。夏もその事実に気づき、一人で生きているのではない、という自覚を持ち、やがて幸太の分まで生きていこうと決心する。
 レイプされている時の心の状態までも本当に素直に書き記し、頭が下がる。と同時にこんな男もいるのだと、改めて思い知らされる。男性に是非読んで欲しい。

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