2012年8月12日日曜日

猫が届けた遺書/志茂田景樹・著

同名タイトル作品他全6編の短編推理小説。主人公滝 一郎と恋人の竹下玲の推理シリーズとなっている。
 美容室を経営する女実業家が殺される。彼女の遺体には飼い猫の桃がいて、白い木彫りのネックレスをくわえて慌てて逃げ去った。彼女は男性交友関係が広く、犯人はその中の人物に絞られる。その中で滝は土木作業員の髙木に的を絞る。彼は彫刻の手習いもあり、猫の桃に唯一気にいられた男性だったからである。他の資産家や実業家の男性達は、猫の桃には嫌われており、近づく事もできなかった。滝の推理は、髙木が自作の木彫りのネックレスを恋人の実業家にプレゼントする。そのネックレスにはバネがしかけられており、ボタンを押すとネックレスが締まるようになっていた。そしてそのボタンにはマタタビが仕込んであったのだ。猫の桃は、ネックレスをしたまま、髙木の睡眠薬で眠らされた実業家の首もとにマタタビの匂いをかぎつけ、ネックレスのボタンにかじりつく。ボタンが押されネックレスが縮み、女は窒息死。その後髙木は金品を強奪し、猫の桃を持ち去りなぶり殺しに。途中、桃は髙木のもとを逃げ去り、瀕死の重傷で自らの家にもどるも力尽きネックレスをくわえたまま家の樹の洞に墜落し、息絶えた。そこを滝に発見され、滝は事件解決の糸口としたのだった。
 短編のせいか少し推理が稚拙な感じを受ける。いまいち、という感じが否めない。

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