2012年3月11日日曜日

黄色い髪/干刈あがた・著

2010年12月25日
 主人公夏実は中学二年。ふとした事からいじめを受けるようになった。ある日給食に彫刻のけずりかすを混入された事がきっかけになり、登校拒否となる。母の史子は懸命に夏実を登校させようとするが、返って逆の結果になり、苦しむ。夏実は、家に閉じこもるばかりでなく、数日おきに外泊するようになった。霞市という住んでいる地域から1時間ほどの原宿のライブハウスなどにいりびたるようになる。そこで様々な人間と出会い、自分は何故今ここにいるのか、何故登校拒否になっているのかを自問するようになる。
 物語は夏実がこれらのうよ曲折を越えて立ち直り、やがて登校し、自分の将来を考え、高校進学ではなく、就職の道を選ぶエンディングを向かえる。勉強とは何か、いじめを受けた子を持つ親の考える事、そして、どう子供と接していけばいいのかなどが描かれている。
 このごろよく目にするいじめ、非行などを題材にしているが、著者は実際、若くして命を絶った人の手記などを読み書き始めたようだ。読中、どうしても気分が暗くなりがちであるが、考えさせられる点が多かった。

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