2012年3月18日日曜日

天使のナイフ/薬丸岳・著

2011年5月11日
 4年前、新妻を殺された主人公檜山は、それが、中学生3人の犯行であることを知って怒りをあらわにする。そんな中、その犯人グループ(沢村、丸山、八木)の沢村が殺される。そして、丸山が電車ホームから突き落とされる。そして八木も殺された。嫌疑は檜山に自然とむけられる。これらの事件の背景に迫っていくと、妻が中学生の頃、人を殺して少年院に入所していたこと、そして、妻は通り魔的に殺されたのではなく、中学生をうまく活用し、殺させた首謀犯がいることがわかってきた。そして、主犯は、ホームに突き落とされたかのように狂言した丸山と、檜山の勤務するコーヒー店店員の歩美であることがわかった時、丸山、歩美がコーヒー店に人質を取って立てこもる。檜山が店内に入り、丸山に殺害されそうになったその時、歩美が丸山の犯行を妨害し、丸山を裏切る形で逮捕となった。歩美は檜山に近づくためにアルバイト店員になったが、自分が幼い頃病気で手術費を檜山の妻が募金して調達してくれたこと、そして妻がかつて自分の父を殺した犯人でありながら、謝罪のために我が家を訪れようとしていたこと。などを直前に知って、丸山を阻止したのだった。  少年犯罪法にスポットをあて、少年犯罪者擁護に過ぎる法律ではないか?と読者を考えさせる一編である。

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