2012年3月25日日曜日

晩年/太宰治・著

2011年11月18日
私には太宰の才能は全く理解できないようだ。これほどつまらなく、読むのを止めようと思った本はなかった。歴史に名を残す作家であるので、少しでも魅力を感じられればと思ったのに、残念でならない。
著者の処女作で短編15話からなる。タイトル同名作品はない。多分に太宰の私小説的な要素が多く、理屈っぽくもあり、人間の卑怯な部分、いやな部分を露骨にあばきだした文体にも好感が持てない。「走れメロス」の作者でもあるから、こういうエッセイではなく、物語を読めば面白いのかもしれない。家を貸した人物が完璧な怠け者でろくに働かないばかりか大きな夢ばっかり語るほら吹き。に対して溜まった家賃の催促もできない自分という大家の日常を描く、結末もなにもない「彼は昔の彼ならず。」ほか。

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