2012年3月18日日曜日

電気紙芝居殺人事件/辻 真先・著

2011年8月26日
初老の鬼堂はTV畑の一線で活躍してきた。その頃の同僚の死をきっかけに当時のシナリオライターの投身自殺事件に疑問を持つようになる。やがて鬼堂はそれは仕組まれた殺人事件であると確信し、まだ存命である殺人者に復習をとげる。また殺人者の息子も鬼堂の親身にしているめぐみを無残に一方的に捨て、新しい彼女と結婚しようとしたため、めぐみに刺されることに。現場にかけつけた鬼堂がとどめを刺す事になる。以前からしきりに出版物を出すように薦められていた出版社の女性に、これらの事実を小説として書き残し、出版するように要請しながら、鬼堂は末期のガンでこの世を去る。
普通の推理物でありながら、主人公が探偵の立場から殺人者に立場を換え、さらに執筆の小説で、出版社の女性に自身の殺人を突き止められる、という筋書きを用意した小説家の立場になり、その本が世にでるころには、自身は亡くなっている、という設定の飛躍がおもしろさを出している。

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