2012年3月11日日曜日

三人関係/多和田葉子・著

2011年2月13日(日)
 同名小説と、「かかと失くして」という2短編からなる。文体を長々と続ける特長がある作者。精神障害を持った人に多くみられるような文章の書き方だ。おまけに2作とも抽象的で、捕らえどころがない。
 見知らぬ町に嫁いできたが、一度も夫に会ったことがなく、町の中を様々訪れ、奇妙な人、場所に出会う、最後に夫は「死んでひからびたイカ」だった、「かかと失くして」。バイトで入ってきた、綾子が、自分の好きな作家と知り合いであること、そして、綾子がその作家の家を訪れ何を語り、経験したかを聞く事が人生の全てになっていく主人公。しかし、綾子の話は嘘であり、しかし、それでも綾子の話が聞かずにはいられなくなり、そもそも、綾子、という人物が本当にいたのかも怪しい、という「三人関係」。何を示唆しているのか、何が言いたいのか、全く判らない作品。ある種のキモチワルさがある。

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