2012年3月11日日曜日

青空のむこう/アレックス・シアラー・著

2010年10月20日
 原題 The Great Blue Yonder / Alex Shearer
主人公のハリーはまだ小学生。交通事故に遭い命を落とし天国に行く。そこは死者の国と呼ばれ、この世に未練を残した者はここでさまようことになる。彼方の青い世界=the great blue yonderに行くには未練にけりを着けなければならない。彼は、事故にあう前に姉のエギーと口論をし、そのまま天国に旅立ってしまい、その事を気にしていた。それが、彼のこの世の未練と知り、この世に戻って、何とか姉のエギーと会い、最後に口汚く罵った事をあやまろうとする。ついに彼は最後の力を振り絞り、鉛筆で字を書いて姉と交信することに成功し、死者の国から、彼方の青い世界に旅立って行く。
 本中、おもしろいのは、死者の国からまたさらに行く「彼方の青い世界」が、また生まれ変わるための再生の場所として定義されているところだ。そこは断崖絶壁で、下には青い海ならぬ、生命の力の海であり、そこに飛び込むことによって、自分の魂は何かの生命の一部に生まれ変わるのだ、と説いているところだ。けっしてどこかの三文小説のように、誰かに生まれ変わって、あるいはまた同じお母さんの子供として生まれ変われる、などとは書いてなく、ある意味死後の世界にそんな甘い希望を持つなという警告すら感じられて、それがより現実味を持っていて良い。恐らく、この筆者の言うとおり、我々の死後は、全魂がそっくり誰かに生まれ変わることはないのだと思う。何かの一部となり、魂は生き続けるのだろうと思う。

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