2012年3月18日日曜日

翳りゆく夏/赤井三尋・著

2011年9月30日
 主人公 梶秀和は東西新聞の記者だが、閑職に追いやられていた。東西新聞に20年前に起こった誘拐事件の犯人の娘が入社予定となり、社長じきじきに梶にその真偽の程を調査するように命ぜられる。事件の起こった横須賀の支局時代の上司である武藤や、当時の警部であった井上、現支局長野村などに助けてもらいながら調査を進めていくと、以外な事実につきあたる。20年前に起こった事件であるとはいえ、梶は、様々な立場の人物から情報を得、誘拐した人物、身代金を要求した人物、それを受け取った人物が、それぞれ別人という事に行き当たる。身代金を奪取した犯人は、その逃亡中に事故死し、計画犯は、その後小樽に潜伏、数日前に病死、そして、武藤の妻が、赤ん坊の息子を死なせ、その代わりに病院から子供を誘拐、後に自殺した事をつきとめ、また、武藤もそれを知りつつ、20年間隠してきたことにたどり着いた。江戸川乱歩賞受賞作。

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