2012年3月18日日曜日

火車/宮部みゆき・著

2011年8月12日
自己破産をした関根彰子が突然姿を消した。 現在休職中の刑事、本間は、彰子の婚約者で従兄弟の息子から警察沙汰にせず、ひそかに行方を捜索してほしいとたのまれる。失踪したのは、彰子自身のクレジットカードが作れないという事が判った日の次の日だった。当初、安易な失踪と判断していたが、調査が進むにつれ、関根彰子という人物になりすました新城喬子が浮かび上がる。新城喬子もまた父が借金でサラ金業者に負われ一家離散を余儀なくされた過去を持つ。そしてそこから逃げるために別人になり暮らす事をのぞんだのだった。しかし、関根彰子もまた自己破産をしているとは知らずに彼女を殺し、今回、カードが作れない事実を知って愕然となり、さらに別の人物になるために再失踪したのだった。捜索のかいがあり、喬子が別の人物にターゲットを絞り、接触する
場面を捉えるところでエンディングとなる。普通の誰でもが落ちて行きかねない、クレジットやローンの恐ろしさを訴えた推理サスペンス。業者は架空だが、相談所や弁護士などは実名を登場させるというリアルさが著者の入れ込みを語っている。

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