2012年3月29日木曜日

火の壁/井野上裕伸・著

火災保険調査会社の相沢が過去十数年間に5度も家を焼失させ、その度に保険金を受け取り、自前のすし屋を拡張して成り上がって行った桶川の6度目の火災のトリックと、それにまつわる不可解な人の死、とりわけ桶川の前担当者である中井の疾走も含めての謎を解き明かして行く推理ミステリ。桶川の生い立ちからさかのぼり、6度目の火災発生現場の群馬・霧生市から塩沢石打の距離のアリバイを崩し、桶川を法廷に引っ張り上げたと思った相沢だったが、真実は失踪した中井が桶川の替わりに自宅に火を付け、その代わり、保険金の一部を中井によこす様にと脅迫した事が真実だった。法廷で勝ち目の無い事を悟った桶川は、やけになり、故郷である霧生の町全体を燃やし尽くそうとして、各所に火を放つが、最後に町外れの遊園地の山林火災を起こした際、自らの服に引火し、火中の人となる

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