2012年3月11日日曜日

フランス橋暮色/五十嵐均・著

2010年8月1日
主人公朱美子は、愛する千石のため、叔父とその妻を殺害する。その鉄壁のアリバイ工作が崩れていく様を描いた作品。刑事コロンボ方式の、最初に犯行や、犯人が特定されるタイプの推理小説。
朱美子はまず、ゆきずりの男とセックスし、コンドームより精液を採取。その後、ジョギングが趣味の叔母柿沼の妻をジョギング中の婦女暴行に見せかけるために、殴打したあと、膣内に精液を注射、後絞殺する。柿沼自身は、糖尿病の持病があり、その薬の中に青酸カリを混入させて、ランダムに薬箱の中に差し戻す。その後数日間のアリバイを工作し、やがて、青酸入りの薬をのんだ柿沼は悶死する。
 一見、完全犯罪のようなアリバイも、行きずりの男が朱美子を忘れられず、朱美子を捜し求めてしまうこと、そして、柿沼邸に柿沼の死亡を確認するために訪れた際、偶然の車との接触寸前のアクシデントをおこし、車の男が偶然に、その起こった時刻を覚えていた事などが災いして、崩れていく。

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