2012年3月18日日曜日

天窓のある家/篠田節子・著

2011年9月9日
さまざまな立場の女性の視点からみた悲喜交々の愛憎劇を9つの短編に収めた本書。
30を過ぎても結婚もせず、仕事もろくにせず、まるで寄生虫のような友人。自分のようにしっかりと結婚し、独立した大人の女性にしようと試みるがことごとく失敗。愛想をつかし、その友人と距離を置く。6ヵ月後、偶然再会し、友人の両親が共に介護のいる病人となり、友人がその面倒をみているという。友人は言う。「母は私が面倒をみる。結婚しないでいつまでも親元にいて、面倒をみてあげる。」とはたと主人公の女性は考える。自分の母親を兄夫婦に押し付け、日々では母のことを疎ましく思い、めったに兄夫婦のもとにかえろうとしない自分と果たしてどちらが「寄生虫」なのだろうか?=「パラサイト」他8編。全体的にホラーやサスペンスタッチの作家である。

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