2012年3月18日日曜日

白く長い廊下/川田弥一郎・著

2011年5月4日
 38回乱歩賞受賞作。麻酔担当の窪島が行った手術終了後、患者の呼吸がとまり、翌日死亡した。麻酔の手順に全く問題を感じなかった窪島だが、まわりは、暗に窪島の人為的ミスで患者を死亡させた、という空気に支配されていた。そんななか、薬局部のちづるが窪島の濡れ衣を信じ、かつミスではなく殺人であると主張し始める。調査の結果、当日ストレッチャで患者を運んだ榊木という看護婦と患者の妻の共同犯行という線が浮かび上がる。窪島は警察に一部始終を告発し、病院を追われることになる。また、病院側はこの事件が明るみに出て、評判ががた落ち、結局以前から売却を打診してきていた新郷理事長に売却し、名前を一新し、出直しとなる。そして信頼していたちずるも、窪島に隠している事実があり、恋人であるちずるに裏切りを感じた窪島は全てをすて、無医村の孤島へ渡り、そこで生活を始める。1年後、ちずるが島を訪ね、新郷が自分の母親の恋人であること、学生時代から面倒をみてもらって、新郷に恩義を感じている事を暴露、しかし、窪島を愛していることを打ち明けにやって来、窪島も近いうちにこの島に渡ってきてほしいことを伝え、物語は終わる。

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