2012年3月11日日曜日

告白/湊かなえ・著

2010年11月25日
 主人公の中学教師森口悠子は、学年最後の終業式の当日、ホームルームの時間、生徒を前に切り出した。今日で教職を辞めること、それは、娘の死が直接の原因であること、そしてその犯人はこの中にいる事、その犯人の生徒には、HIV感染血液を混ぜた牛乳を飲ませたこと…。この事実を時間軸を多少前後に変えながらも様々な人の観点から語らせたスタイルで各章が成っている。犯人生徒のうち一人Aは、来学期から教室に来なくなり、ひきこもり、やがて、母親を殺す。もう一人の生徒Bは教室内でいじめに遭うが、HIV感染を逆手にとり、逆に他の生徒を恐怖で支配するようになる。Bはもともと、別れた母を慕って、起こした殺人であり、母の注目を集めながらであれば、死さえも望んでいた。しかし、HIV感染牛乳は森口の狂言とわかり、絶望した生徒は、体育館の教壇の中に爆弾をしかけ、大量殺人を試みるも、森口に阻止され、逆に母親の勤める大学にその爆弾を移される。そうとは知らない生徒は起爆させてしまう。そんな生徒に「今からが貴方の本当の更正の開始だ」と告げる。

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