2012年3月11日日曜日

影踏み/横山秀夫・著

2010年9月29日
 推理小説的要素を含んだハードボイルド系小説。
「ノビ師」といわれる夜更けに民家に忍び込み、見つからずに泥棒を働く犯罪を行う真壁。真壁には双子の弟がいたが、空き巣を働いた弟の素行を悲観した母の無理心中によって弟を失う。おまけに自宅放火という自殺手段を選んだ母も死に、助けに行った父も死んでしまうという悲惨な過去を持っている。しかし、弟は、声だけの存在になって、真壁の心に住み着き、真壁と行動を共にするようになる。
 本小説は、各章が独立した短編とも言え、ノビ師真壁が常に活躍する短編集とも呼べる。民家に押し入る強盗にも、空き巣、ノビ師、学校荒らし専門、天窓専門、など、種類があり、「業界擁護」満載でおもしろかった。

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